ここはGUNZで活動する、エロ優しいAngelic-rayの日記です。多分・・。
プロフィール

Angelic-ray

Author:Angelic-ray
22歳♂ 3月31日 牡羊座
社会人 新聞屋の後継ぎ。
日々強く生きていけたらいいな
メッセ↓
angelic-ray@hotmail.co.jp
登録の際はブログで一声かけて下さい。

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この世界には理不尽なことがたくさん渦巻いている。

更に理不尽なのは、その理不尽を受け入れなければいけない理不尽があるということ。

だから、私が死んだら貴方はそれを受け入れなければならない。

生きているということは、前に進むことなのだから。
                 
by Angela=Sef=Flavor



その日の夜、夕食を終えた俺たちはアンリの部屋にいた。
アンリに本当のことを話すかどうか・・・俺とカゲの二人で相談した結果
すでに被害にあっているのだから、彼女にも知る権利があるだろう。
そして、もしかしたらアンリは文書のことを知っているが、
内緒にしている可能性があるということだ。
「アンリ、単刀直入に聞く。」
俺はアンリの眼差しを見つめ、真剣な顔で口を開いた。
「はい・・なんでしょう?」
いきなりの台詞と真剣な面持ちに、アンリは少したじろいだが、
真面目な話というのを理解し、すぐに真剣な眼差しを向けてくれた。
「半年前に、ブレインさんの教え子がここに来て、ある物を置いていったと思うんだ。」
「・・・」
俺の質問に対してアンリは黙るが、一瞬表情が曇ったのが解った。
まずこの情報は間違いないな・・。
「もし、そうだとしたら・・今回の件と何か関わりがあるんですか?」
何か知られたくない理由でもあるのか、アンリもこちらの出方を伺うように質問を質問で返す。
「関わりが無かったら、こんな事は聞かないだろう?」
「・・・そう・・ですね。。」
「まぁ、レイ、とりあえずややこしい話は抜きだ。どちらにしろ、アンリが知っていても
知っていなくても話す必要はある。」
そう言って、カゲが一歩アンリに近づいた。
「要するにだ、親父さんの所属していたクラン、Zooのことは知ってるよな?」
「はい・・。」
「そこの現No1を始めとする幹部らが、その教え子が持ち出したものを血眼になって
探している。これは確かな情報で、特にライアド周辺でZooのメンバーを見かけたヤツが多い。」」
「・・・。」
「そして、昨日レイがブレインさんの口から、はっきりと狙われているのは私達だということを
聞いた。君の親父さんが嘘をついているとは思わない。それに俺もレイも過去にお世話になっているから
何とかして助けたいと思っている。これは俺たちの本当の気持ちだ。」
「・・・。」
カゲが淡々とした口調で話す。アンリは俯いてはいるが、時折チラッとカゲの方を向くだけで
依然として押し黙ったままだった。そんなアンリにカゲは肩に手をかけて言った。
「まぁ、信じろとは言わないよ・・・でも、少しでも俺たちのことを信頼しているなら、
アンリの知っていることを教えて欲しい。俺たちは君と親父さんを守りたいんだ。」
真剣な眼差しがアンリを射抜く。しばらくそれから目をそらしていたが、観念したのか
どうしようもないのか、アンリが重い口を開いた。
「教え子さん・・・来たのも本当ですし、その時にある書類を受け取ったのも本当です。」
「そうか・・・」
「これでしょう?」
そう言って、アンリは自分の上着の内側から半分に折られた書類を取り出す。
「これが狙われていることは何となく気付いていました。レイさんとカゲさんに依頼をお願いした日に
何か狙われるような物はないか?って聞かれた時に嘘をついたのも、ヤツらに聞かれるのを
恐れたからなんです。」
アンリはカゲに書類を渡す。受け取ったカゲの隣にいき、俺は書類の文面を覗き込んだ。
「っ!?」
「こ・・これは。」
そこにはとても現実には在り得ない実験と研究の記録が書かれていた。
ある薬品Aを体内に微量に蓄積していく、それがある一定の量まで蓄積されると
今度は薬品Bを投与する。そうすると体内で反応を起こし、理性を失った殺人マシーンが
出来上がると記されていた。本当はもっとたくさんの書類なんだろうが、一番重要な部分が
ここにあるんじゃないかと思う。そうじゃなかったら、必死になって探し回ったりはしないだろう。
その他には薬品Aを一度に大量摂取した場合、数秒で発狂→植物人間になる。
薬品B単体では効果が無いなどの、注意書きのようなものが書いてあった。
「アンリ・・・中身は読んだのか?」
とても現実の物とは思えない・・・そういう思考が俺の声をうわずらせている。
「・・・はい。」
アンリは一言だけ答えて、俯いた。
「これがすでに出来上がっている物だとしたら・・・・」
「だから、ブレインさんの教え子はこれを防ぐために持ち出したわけか・・・。」
「いや、カゲ、それはおかしい。」
「え?」
カゲとアンリは何がおかしいのか解らなかったが・・・俺は気付いた。
「何がおかしいんだ?"防ぐために持ち出した"これ以外に理由があるのか?」
「なぁ、カゲ・・・考えてみろよ?」
「うん?」
「こんな危険な文書が実行されたら、大惨事になるのは解るよな?」
「あぁ・・もし知らない間に一般市民に薬品Aが投与され、頃合になってBを投与されたら
そこで悲惨な無差別殺人が起こる。」
「うむ・・・そんな危険な文書が、なんでここにあるのか・・疑問にならないか?」
「疑問・・・?」
「れ、レイさん・・それって・・・」
アンリが何かに気付いた様に、そしてその気付いたことに怯えて口をパクパクさせている。
「どういうことなんだ?さっぱりだぞ・・俺には。」
「カゲ、おまえこんな危険な文書を目の当たりにした場合どうする?」
「そういう場合・・・あ!・・・そういうことか・。」
俺のヒントにカゲもとうとう気付く。
「そうだ。教え子はハメられたのか買収されたのか解らんが、とにかくコイツをブレインさんに
届けるように仕向けられたんだ。そうじゃなきゃ、こんな文書、見つけた時点で何らかの方法で
消してしまうのが一番いいだろう?とにかく彼らにとって、ブレインさんが邪魔になる理由があった。
が、しかし、傭兵から身を引いたブレインさんの所在が掴めない。だから、その仲のよい教え子なら・・
と踏んだのだろう。」
「それじゃ・・・」
「あぁ、これは最初から仕組まれていたん・・・・・・!?」
俺がそう言いかけた時、アンリの部屋のドアの向こうから異様な気配を感じ取った。
それはとてもドス黒く、吐き気を催しそうな程の"殺意"
「・・・カゲ。」
「あぁ。」
カゲもすぐに気付いたらしく、懐に手を入れて銃をいつでも抜き出せるようにしている。
俺もツインフェザーに手をかけながら、アンリになるべく窓の外から見えない位置でドアから
離れたとこに下がるよう指示した。
こういう時、一番怖いのはドアの向こうより外からの狙撃だ。
俺はゴクリと唾を飲み込み、ドアの向こう側の様子を探る。
依然としてドス黒い殺気は廊下に留まったままだ。
が、その瞬間そのドアがノックされた。

コン、コン

「私だ、入っていいかな?」
ノックの主はブレインさんだった。そして、それと同時にドス黒い殺気から解放される。
俺はカゲの方を見て、「なんだったんだろう」という表情を浮かべた。
だが油断は禁物。俺は銃に手をかけて、アンリに応対するよう促した。
なんか、こっちが犯人っぽいな・・。
「開いてるよ。」
アンリは怯えているが、いつもと同じ様に声を返す。

ガチャ。

ドアが開く。銃を持つ手に力が入る。ブレインさんに何かあったのか・・?
いやいや待て、大丈夫だ。いくら傭兵業から離れていたからってあんな殺気に気付かないわけが・・
その思考までわずか0.2、3秒。次の瞬間俺の口からついて出たのは意外な台詞だった。
「そのドアを開けるな!」
「ど、どうしたんだい?」
急に大声が聞こえたせいなのかドアノブに手をかけたままで、向こうからうろたえた声がかかる。
・・・が、俺の言葉とはおかまいなしにそれが回される。
「開けるなって言ってるだろ!そっから手を離せ!」
「れ、レイさん・・?」
アンリが何事かと目を丸くしている様子が手に取るように解る・・が、今は振り向いてる余裕なんてない
少しでも隙を見せればやられる・・。
「いるんだろ!?もう一人・・・」
俺はドアの向こうに聞こえるように大声で言った。
そう、ブレインさんは殺気に気付かなかったんじゃない。
気付けなかったんだ。こんなドス黒い殺気なら、家の外に相手が居たって気付ける。
それに、ブレインさんが傭兵業から遠ざかっていたからって、それが解らないほど衰えてはいないはず。
恐らく殺気の正体は警戒心が薄れるように、何かを装ってブレインさんに近づいたのだろう。
「レイくん・・?もう一人いるだろうって・・アンリは君の傍にいるだろう?」
「そんなこと、貴方が一番よく解っているはずだ!」
「く、くくく・・・ふはははははは!・・なかなか勘の鋭い坊やじゃないか・・。」
俺の言葉に返ってきた返答は、ブレインさんの声じゃなかった。

ガチャ

「開けるなって言ってるだろ!」
もう一度ドアノブが回されそうになるのを制する。
「坊や、開けてくれないのなら・・・こちらにも考えがあるぞ?
ここにいる老兵の頭が吹き飛んでもいいんだな?」
く・・そうきたか・・・。
「さぁ、どうする?うひゃひゃひゃ、開けるしかないよな?
大切なウルフさんを見殺しに出来るわけが無い。それも娘がそこにいるのにね。」
声の主はいやらしく笑い、そう言い放った。
俺はカゲとアンリを見る。二人とも何も言わなかったが・・入れるしかないようだな。
「わかった、入れ。・・・だが、ブレインさんに危害を加えるなよ?
おまえの狙いはこの文書だろう?そっちが妙な気を起こすなら、こっちもこの文書を燃やす。」
「ひひひひひ、解ってるよ。そうカッカしなさんな。」
やらしい笑いだ・・・神経を逆撫でしやがる。

ガチャリ・・ギィィ

ドアノブが回され、扉が開く。
「と、父さん!?」
アンリが開いたドアの向こうを見て、触発されたように声をあげる。
そこには謎の男に頭に銃をつきつけられたブレインさんがいた。
男の風貌は、身長は180後半といったところで真っ黒なコートをはおっている。
コートの上からじゃ痩せ型に見えるが、多分体脂肪が少なくしっかりと鍛えられているのだろう。
でなければ、俺たちに気付かれないようにブレインさんを人質になんか出来るわけがない。
そして一番特徴的なのは、何とも厭らしい細い目だった。
恐らくコイツが・・・
「初めまして、皆様。」
そう言って謎の男は蛇の様な目で俺たちをしっかりと舐めるように見た。
多分、今ので俺たちの力量は相手に筒抜けたな・・。
「スネーク・・だろう?」
「あら、解っちゃいましたか?」
スネークは白々しさたっぷりにおどけてみせる。
「まぁ、そんな怖い顔をなさらないで、ね?人間笑顔が一番ですよ?
ほら、ウルフさんもそんな辛そうな顔をしないで・・ね?」
「・・ぐ・・き、貴様。」
ブレインさんは腕を締め上げられぐりぐりと銃をこめかみに押しやられる。
「やめて!お父さんにひどいことしないで!」
それを見たアンリが、耐え切れなかったのか部屋の隅からスネークに向かって飛び出す。
無理もないだろ・・・アンリにとっては唯一の肉親だ。
「これはこれはアンリお嬢様、大きくなられましたね?その赤い髪、相変わらず綺麗ですよ。
ひひひひ。」
スネークは、アンリのつま先から頭のてっぺんまでをジロジロといやらしく見つめ、舌なめずりをする。
「父さんを放して!」
「あ、アンリ、・・・下がっていなさい。」
アンリに向かって辛そうにブレインさんが言う。
「くぅ~~~、親子愛ってヤツですかぁ?いいですねぇ・・・私ですね、こういうのを見ると
虫唾が凄く走るんですよねぇ・・・」
そう言いながら締め上げる腕と銃をつきつけている腕に力を入れる。
「う、ぐ・・・」
「お願いだから!やめてください!!」
哀願するアンリを見下すスネーク。それに対して、今度はカゲが口を開いた。
「あんたの狙いはこの文書だろ?二人は関係無いはずだ!」
「・・・・・あぁ、そうでしたね。それじゃ、その文書と引き換えにこの老いぼれを解放しましょう。
それでどうですか?」
カゲの台詞に対してスネークは視線を向け、さも面白くなさそうに言い放ち、
文書を持っている俺を見た。
苦しそうにしているブレインさん、泣き叫ぶアンリ・・そんなのを見せられるくらいなら
文書なんていらねぇよ。
「わかった。」
俺はスネークにそう言って歩み寄る。
「レ・・イくん・・それを渡したら・・だ・・めだ。」
ブレインさんの言っていることは最もだ。
これを渡したら俺は世界の破滅に手を貸しているようなもんだろう。
でも、目の前の大切な人達を放っておけるほど俺は強くはない。
それにそれは俺の意志でもない。だから、この文書はスネークに渡す。
「ふふ、坊や素直だねぇ・・・それに腕もなかなかのモノらしいじゃないか?。ギルドカウンターでは
かなりの評判だって聞いたよ。」
「裏でのあんたの評判にはかなわないさ。」
スネークのにやりとした顔に、俺はたっぷりと皮肉を込めて言い返してやった。
「ふはははははははは!聞いたか?ウルフよ!こいつぁは手厳しいなぁ、オイ!」
戯言は軽く流すのに限る。こういうヤツは一度脱線するとしっぱなしだからな。
「文書を渡す、だからブレインさんを放せ。」
「・・・そうだったな。じゃあ、そちらから渡してもらおうか?」
「それは出来ない相談だ。」
「じゃあ、引き金を引くまでだね。」
そう言って、スネークはこちらの顔色を伺いながら引き金の指に力をこめる。
「く・・・」
これは凄く分の悪い取引だな・・・仕方ない。
「わかった・・・」
「レイ・・くん。。」
「・・・すみません。俺には貴方を見捨てることは無理です。」
「ふはははははは、じゃあ、遠慮なく頂いちゃいますね。」
そう言うとスネークは乱暴に俺の腕から文書をひったくり、中身が本物かどうか最初の一枚目にだけ
目を通す。おそらくこれだけで彼なら残りが偽者かどうか把握できるだろう・・。
それぐらいの力量は余裕でもっているだろうな・・。
「文書は渡したぞ・・早く放せ!」
「んっんー、その前に一つ・・いいですか?」
人差し指を立てて、細い目を一層細くして俺たちを見回す。
「なんだよ・・?」
「えっと・・・皆さん、中身を見たんですよね?」
見てなかったらもっと簡単に俺は渡していたと思う。
あんなものが現実になった・・もしくはすでにそういうことが起こっているのかもしれない・・。
これ以上の犠牲を出さないためにも、本当は渡したくない・・。
「あぁ・・だからおまえなんかに・・」
俺がそう言うのを遮るように、スネークが口を開いた。
「それじゃあ、貴方たちにも死んでもらいますよ。あははは、これ、お約束ですよね?」
・・・コイツ!?
「てめぇ!」
いやしく笑うスネークから俺は文書を奪い返そうとするが、それは軽く交わされる。
「おっと・・・まぁ、待って下さいよ。私も鬼じゃないんでね、名前の通り蛇の様にいやらしく
やらせてもらいますよ・・ふひひひひ。」
「その笑いをやめろ!いちいち癇に障るんだよ!」
「おやおや、そんなこと言っていいんですかぁ?蛇だって牙はあるんですからねぇ・・」
そうやってスネークはにやっと笑い、歯を光らして引き金を引くような動作をする。
「くっ・・・・」
「貴方達にはゲームをしてもらいます。えぇ、とても簡単なゲームをね。」
「なんだそれは・・」
「今から鬼ごっこをしてもらうんですよ?逃げ切れば貴方達の勝ち、捕まる・・というより
殺されたら負け。どうです?簡単でしょう?」
「・・・要するに、おまえから逃げ切れば俺達の勝ちってわけだな?」
「んー・・・鬼は私じゃないんですよねぇ・・言いましたでしょう?蛇の様にいやらしくと。」
「じゃ、じゃあ誰が?」
「文書に目を通したならお解りだと思いますが、薬品Aに薬品Bを混ぜると殺人マシーンが出来上がるのは
ご存知ですよね?」
「あ、あぁ・・。」
なんだ・・・とても嫌な予感がする。。
「くくく・・・鬼はですね、貴方達の中の一人にやってもらうんですよ。」
「!?」
スネークの一言で場が凍りついた。まさか・・こいつ。
俺が怒りに任せて口を開こうとしたが、それを制するようにアンリの叫び声があがった。
「いやぁあああああああ、どうして!どうして、そんなことをするの!」
「あらら、お嬢様、なかなか鋭い洞察力を持っていらっしゃる。」
「私達は静かに暮らしていたのに、どうして・・・文書だって返したじゃないですか!!」
「んっんー・・・それはとても言いにくいんですがねぇ・・・お嬢様、この世の中には
理不尽というものがありまして、それが今この場に適用されているということなんですよ。」
「なによそれ!そんなの全く解らない!解らないわよ!お願いだから・・お願いだから・・
父さんをもうZooに巻き込まないでぇ・・・」
泣き叫んだアンリはその場に崩れてしまう・・俺とカゲはアンリの傍にかけより
なだめるように肩に手をおいた。
「てめぇ、どういうことだよ!」
カゲが拳を震わせながら怒声をあげる。それをスネークは冷たい目で見下し、ポツリと言った。
「解り易く言いますと、ウルフさんが私達にとって邪魔。まぁ、こんなこと説明してても仕方が無いですし
手っ取り早くゲームを始めましょうかね・・・」
そう言ってスネークはポケットから小型の注射器を取り出す。
「待ちやがれ!」
それを阻止しようとカゲが飛び出した。
「遅い・・」
バキィ!!
「ぐっ!?」
カゲが飛び掛ると同時にスネークの電光石火の様な蹴りがノーモーションで繰り出される。
それをカゲはかろうじて両手でブロックしたが、部屋の壁に叩きつけられた。
「ふふ、邪魔しないで下さいね。私は銃も握っていますから、下手すると引き金を引いちゃいますよ?」
「引いてみろ・・・次の瞬間てめぇの頭を俺が吹っ飛ばしてやるよ。」
気持ち悪くウィンクをしてみせるスネークの顔に、今度は俺が銃を構えた。
「・・・・ほぅ、あくまで私に刃向かいますか・・。解りました・・。」
そう言った次の瞬間、スネークはブレインさんを俺とアンリの方に蹴っ飛ばした。
ドサァ!
「父さん!」
「ブレインさん!」
咄嗟のことだったが、かろうじて俺とアンリがそれを受け止めるが・・・
瞬時にスネークがブレインさんの背中にそれを突き立てた。そう薬品Bが入ったと思われる注射器を・・・。
「甘いですね・・・人質を盾にするのは基本ですよ。」
「貴様!!!!!」
俺はブレインさんをアンリに預け、懐からツインフェザーを抜く。
しかし、俺の動きをしっかりと見ていたスネークは、瞬時にバックステップしてドアの向こうへ移動し
視界から姿を消した。
「待ちやがれぇ!」
パァン!パァン!パァン!
ダッと床を蹴って、俺は廊下へ転がり込むと同時にスネークの方へ発砲する。
キキキィィィィン!!!
しかしとんでもないことに、スネークはこちらを振り向いて俺の弾丸を片腕で払いのけた。
あれは・・・防弾鉄甲か!それもかなりの硬度の・・・。
「残念でしたね・・それではまたお逢いしましょう!」
その台詞とザウルス並の弾を払いのけた光景に俺は動くことが出来なかった・・。
格が違いすぎる・・。
スネークが去ったあとを呆然と見つめている俺に不意に声がかかった。
「レイ!!!!!ブレインさんが!」
カゲの声だ。そうだ・・ブレインさんが。。俺は部屋に戻り、3人の傍を駆け寄る。
「父さん!しっかりしてよ!」
アンリの悲痛な叫びが部屋に響く・・ブレインさんはうめきながらしきりに何かを言おうとしていた。
「・・・ぐ・・は・・・やく、はぁはぁ・・にげ・・・ろ・・ぐぅ・・ぐげ・・」
ブレインさんは見るからに顔色がおかしく、そして脂汗をしきりに流し、小刻みに身体を震わせていた。
「無理よ!父さんを置いていけない!」
ブレインさんの言葉にアンリは顔をいやいやと振ってきつく、きつくその震える手を握り返した。
「ブレインさん・・」
俺もカゲもどうしていいから解らない・・解毒薬があるのならすぐにでもそれを取りに行っただろう
でも、それがない・・いや、もしかしたらあるのかもしれないが・・文書が奪われた以上、
それを確かめることすらもできない。
「ぅ・・レイ・くん、はぁ・・ぐぅ・・カゲく・・ん。」
無理矢理声を絞り出して、ブレインさんは俺とカゲの方に目をやる。
「はい・・」
「もう・・時間がな・・い。わた・・しをころ・・して・・がはっ・・はぁっはぁっ」
「そんなことできませんよ!無理です・・」
「いいか・・ら・・私を・・ころし・・ぐ・・ぐが・・うぅぅぅぃぃぉおおお・・
ぐあああああああ!!!」
ブレインさんが突然叫び出し、その場を転がりだす。
「父さん!父さん!しっかりしてよ!!」
「ブレインさん!!」
「ぐあぁ・・・うおおおおおおおおおおおおお!」
ヴォン!!
ブレインさんを必死に抑えようとした俺たちを、物凄い勢いと力のこもった腕が振り払った。
アンリが泣きながら近寄ろうとするが、ブレインさんはそれを手で振り払い近づけないようにする。
「どう・・して!!どうしてなの!!レイさん、カゲさん、父さんを助けて!!」
振り払われたアンリを受け止めた俺は、アンリの肩を抱いた。
コートをぎゅっときつく握られるのが解る・・痛々しいほどに。
そんな俺の耳にバキッ!ボキッ!と鈍い音が聞こえてくる。
カゲもアンリも気付いたのか、カゲは周りをキョロキョロし、アンリは俺のコートの中で
ガタガタと肩を震わせながら耳を塞いでいる。
やがて・・カゲの視線と俺の視線が目の前の"モノ"に注がれた。
そう、そこにはかつてブレインさんだったものが居た・・・。

「ぐぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
その"ブレインさんだったモノ"が手を振り上げ頭を抱え咆哮をあげる。
その腕が大きくゴツゴツとした腕に奇形し、従来の2倍3倍近くの太さと大きさになり・・
間接がベキッ!ベキッ!と音を立てて、腕を長く伸びていく。。
手の甲は山脈の模型みたく突起したもので覆われ、爪が鋭く硬く長いものへと変化していき、
更に背中かからは肩甲骨が隆起し、まるで翼が生えるかのごとく飛び出していた。
「な・・・なんだ、コイツは。。」
俺たちの目には少なくともこの世のモノとは思えない様な光景が映っていた・・・。

Go to NEXT 9thSTAGE
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テーマ:GunzOnline - ジャンル:オンラインゲーム

あの日、一つのミスが更なるミスを呼び、
結果的にウルフのミスを埋める俺をかばうように、アンジェラは凶弾に倒れた。
当時、駆け出しの俺にとってその時の仕事はとても大きくて、
とても傭兵になったばっかのヤツが請け負わせてもらえる仕事ではなかった。
周りはそれを理由に俺を責めたが、その時かばってくれたのがウルフだったんだ・・。
それなのに俺は、あんなひどいことを言ってしまった。
確かにあの時、ウルフが索敵を怠ったのが原因だが、
怪我をしたアンジェラから離れた俺にも責任はあるはずだ。
ウルフの様なベテランなら、ミスのうちに入らなかったかもしれないのに・・。

いつのまにか俺は外で寝入ってしまっていた。
「起きたようだな・・。」
声の主はウルフだった。
俺の隣に腰をおろし、タバコをふかしている。
「さっきは・・すみません。」
とっさに俺はさっきの事を思い出し、頭を下げた。
「いや・・いいんだ。私は君に何を言われたって仕方がない。」
「でも・・」
「そんなことより、レイくんに受け取って欲しいものがある。」
責任を感じる俺を制し、ブレインさんは隣に置いてあった荷物を俺に渡してくれた。
「これは・・?」
そう言いながら、中身を確認する。
古びた袋から出てきたのは、見慣れたコートと見慣れた銃だった。
そう・・アンジェラがレフトハンドの証として使用していたシークレットコートと
愛用の銃、ツインフェザー。
「それはいつか君に渡そうと私が預かっていたんだ。
コートはアンジェラ専用に作ってあるから、着れないだろうけど。
銃の方は、はっきりいって暴れ馬だ。ザウルス並の威力のオートだから、
その分反動があって、安定させるのが難しいかもしれない。
まぁ、アンジェラの教え子のレイくんなら、大丈夫だと思うが・・。」
「ありがとうございます。」
翼のマークが入ったグリップを見つめ、俺はブレインさんにもう一度頭を下げた。
するとブレインさんは真剣な表情で口を開いた。
「実は・・・私はZooから脅迫されている。」
「え・・・?」
「彼らはある機密文書を探しているんだ。それがどうやら、私の家にあると睨んでいるらしい。
私とアンリにはそんな文書を見たことすらないのに・・・・。」
「じゃあ、なぜ?」
「・・一つだけ心当たりがあるんだ。今からちょうど半年前に、私の教え子が
突然ここを訪ねてきた。Zoo本部からここまでくるには、現代の移動手段を駆使しても
丸1日は絶対かかる。。それがどうだろう?遠路はるばるきてくれたのに、彼は一晩泊まっただけで
朝食も食べずに私の家をあとにした。」
「てことは・・その教え子さんが。。」
「うむ・・・私もそう思った。それからしばらくして、スネーク・・Zooの現在のNo1で
私が表で代表をやっていた時の、裏の代表だ。」
「えぇ、名前は聞いたことあります。」
「そいつが、私に機密文書のありかを教えろと言ってきたわけだ。
だが、私はそんなことは知らないし、何のことかも解らない。だから、知らないし見たこともない。と、
答えたんだ。そうしたらその数日後に部屋に物色されたあとや、さらにはアンリが何者かに
狙われたりもした。」
「それって・・・」
「あぁ、それが脅迫のサインだと私は悟ったよ。最愛の一人娘に危害が及ぶのは
さすがにね・・。やつらにとっちゃ、ここまでやるからには相当重要な機密文書らしい。。
できれば、レイくんにも探すのを手伝ってもらいたいんだ。」
「えぇ、いいですよ。こんな理不尽なことは放っておけませんし。」
「すまない・・助かるよ。」
「いえ、いいんですよ。それと、娘さんには?」
「あぁ、本当のことは内緒にしている。アンリのために傭兵をやめたようなもんだからな・・
それを今更Zoo関係のことで心配をさせるわけにはいかんのだよ。」
「解りました。カゲにも伝えておきます。」
「よろしく頼む。」
そう言って、ブレインさんは軽く頭を下げて家の中に戻っていった。
全く・・・面倒なことになったな。。ZooのNo1が血眼になって探している文書となると
相当なものだろう・・もしかしたら国家規模を破壊できるような文書かもしれん。
スネークは金のためなら赤子でも平然と殺せる傭兵だと聞いている。
もちろん裏のNo1というだけあって、腕も立つ。
当時表舞台にたっていたブレインさんをも凌ぐと言われていた。
そんなヤツが相手になるかもしれないというのだ・・・これは覚悟を決めないとダメかもしれん。


翌日の昼、俺はBJのアジトに久々に出向いた。実に1週間ぶりだったりもする。
用事はアンジェラのコートを店に飾るためだった。
まぁ、着れないのならせめていつでも見守ってくれるようにと・・。
BJのアジトは表向きはBARになっていて、夕方ぐらいから一般市民や傭兵やらが集まってくる。
クラメンがしっかりと店の治安の安全を確保しているので、市民がゆっくり飲める場所としては数少ない店だ。
「えろーーーーーっす!」
俺はいつもの挨拶をしながら扉を開けた。
最初に出迎えてくれたのは、俺が高値で入手した"歩くSMG"と呼ばれる傭兵のポスター。
そのポスターの男は短剣とSMGで一世を風靡した男として、歴史に名を刻んだ男だ。
ここ最近ではあまり噂は聞かなくなったが、今でも人知れず活動を続けているらしい。
ポスターから目をそらし、カウンターの方を向くとタイミングよく奥から女性が出てきた。
「あら、レイくんじゃない!」
「おっ!房子ママじゃん、久しぶり!」
次に出迎えてくれたのは、二階堂房子。
通称房子ママとみんなから呼ばれているクラン内の姐さん的存在だ。
東方出身の傭兵で、黒い長い髪が印象的な女性である。
ちなみに、客からは美人ママとして通ってるらしい。
本人はママと呼ばれるのをひどく気にしているが・・。
「ママはやめなさいね・・・私、レイくんよりも下よ?」
SGをチェックしながら冷ややかな声で言うのはやめて欲しいものだ。
とりあえず注意されたときは昔ながらの二階ちゃんと呼ぶことにしている。
「ところで、こんな時間に来るなんて珍しいわね。女の子にでも振られたの?」
「そうそう4番通りの酒場で働いてるNo1の子に・・・。」
「あはは、あの子人気あるらしいわね。常連がよく話してるわよ。」
「そ、そうなのかぁ・・・じゃなくてね?二階ちゃんさ、このコート、店の中央に飾ってくれないか?」
そう言って俺は中央を指差して、彼女にコートを手渡す。
「うん、いいけど・・・」
そう言いかけて二階ちゃんは手渡されたコートを見てびっくりした。
「こ、これ、シークレットコートだよね!?」
「うむ。」
二階ちゃんはコートを広げて子供の様に目を輝かせている。
無理もない、シークレットコートはまず人の目につかない。
このコートは持ち主のハンドですら、早々着ないようにしている。
なぜなら、このコートを着る時は死を覚悟した時だけだからだ。
「それにしても、よく手に入ったわねぇ・・・これは客寄せになるわよ。」
「そうだな、ここんとこ他のメンバーもあまり仕事入ってないんだろ?」
「えぇ、だからこのBARの収入で今はどうにかやりくりしてる感じ。」
「そうかぁ・・・」
「そうしみじみ思うんだったら、報酬のある依頼を請け負ってくださいね?
マ・ス・ターw」
「ごもっともです。」
俺は面目ないという感じで、房子ママに頭を下げた。

カランカラン
シークレットコートを交えながら房子ママと少し雑談していると、店になじみの顔が入ってくる。
「えろーーーーーーーーーーーーーっす!」
「えろぉぅーーーーっす!」
お決まりの挨拶にお決まりの挨拶で返してきた人物は、クランメンバーの中心核の一人
akinoyukiだった。
「あら~、あきくんじゃない。これまたレイくんといい久しぶりねぇ。」
房子ママにやあやあと答えると、あっきーは俺の隣に腰掛ける。
「レイも房子ママも久しぶりだね。」
「うんうん、そうそうあきくん、このコート見てよ!レイくんがもってきたんだけど・・・・」
房子ママがニコニコしながら、俺が渡したコートをあっきーに渡す。
「ん?コート?・・・これは・・・シークレットコートじゃないか。・・・って、レイ。」
コートを見たあっきーが気付いたように俺に言う。
そう、あっきーもアンジェラのことはよく知っている。
付け加えるならレオもそうだ。
俺とあっきーとレオはアンジェラのおかげで、BJを切り盛りしていったようなもんだ。
言わば俺らにとっては大切な恩人でもある。
「あきくん、そのコート知ってるの?」
「あ、あぁ、そうじゃなくて、よくこんなのが手に入ったなぁって思ってさ。
ちょっと驚いちゃったんだよ。」
「そうよねぇ・・・まず手が届かないもの。。レイくん、どこで手に入れたの?」
「ど、どこだっていいじゃないか、、はは。まぁ、とりあえず早いとこ飾ってやってくれ。」
「気になるわねぇ・・・まぁ、飾ってくるわ。中央でいいのね?」
「あぁ、頼む。」
房子ママは興味津々な様子だったが俺が口を割りそうにないと判断すると、
渋々と中央にいきコートの飾りつけを始めた。
それを確認したあっきーが、俺にひそひそと言う。
「あのコート、アンジェラさんのだろう?どこで手に入れたんだい?」
「今請け負ってる依頼でな・・偶然ある男と再会したんだよ。」
「もしかして・・・」
「あぁ、そうだ。」
あっきーは俺が誰と再会したのかを把握し、少し視線を落とし考え始めた。
「僕が思うに、レイは今回の仕事を降りた方がいいと思う。」
「・・・・」
あっきーの意見は最もだと思った。
今回の依頼に関してだけは、相手が悪すぎる。
昨日の夜にカゲにも話をしたが、今回ばかりは命の保証が無いかもしれないなと言っていた。
とりあえず、その話は保留にしておき、今日はカゲはアンリをつれて情報収集にあたっている。
「レイ・・ウルフさんが関わっているということは、Zoo絡みなんだろう?」
「あぁ・・・そうだ。」
「なら、やめておいた方がいい。」
あっきーは俺の顔見ないで言うが、その顔はひどく険しかった。
そんなあっきーを見ていると、降りようかという気持ちになるが、
手伝うと約束した以上、そういうわけにもいかないし、何よりヤツらが平穏に暮らしている
二人の邪魔をするのが許せなかった。
「あっきー、多分・・俺は、もう引き返せないとこまで来てしまったんだ。
あっきーが言うように、降りた方がいいと思う・・いや、降りることが最善なんだろう。
でも、そういうわけにもいかないんだ。やると決めた以上、降りるわけにはいかない。」
俺が目を伏せながらそう言うと、あっきーもまた険しい表情のままで言う。
「レイ・・君はクランのマスターなんだ。あぶない橋を渡るのをメンバーの皆が
許すわけがないだろう。だから、皆に召集をかけてしっかりと話してくれないか?」
あっきーはそう言って、俺の方を向いた。
が、しかし、その真剣な眼差しに射抜かれた俺は、とんでもない行動に出ていた。
懐のツインフェザーを房子ママから見えないよう、上着の内側からあっきーに向け口を開いた。
「これは俺の問題だ。もし介入したら、その時は容赦なくメンバーであろうが
俺は引き金を引く・・。」
自分でも驚いた・・・それ以上に銃を向けられているのを悟ったあっきーは驚愕の表情だった。
「れ、レイ・・・」
「・・・すまない。」
そんなあっきーを見ているのがとても痛くて、一言ポツリと呟き、俺は早歩きで店を出た。

―――今回の件で、もし犠牲になるのであれば俺一人で十分。
自分が無償で勝手に請け負った依頼だ。それに皆を巻き込むわけにはいかない・・
カゲを連れてきたことも、ブレインさんから話を聞いたあとに、ひどく後悔した。
でも、顔に出てしまったんだろうな・・・カゲは俺の様子がおかしいことに気付き
かなりしつこく聞いてきた。
アンリもひどく心配をするし、何でもないと怒るわけにもいかなかった、
それにカゲは自分でも言っていたが、もう足を突っ込んだようなもの
後戻りは出来ない覚悟は出来てるとあっけからかんと言い放ったのである。
もうどうしようもねぇなって感じで、渋々とカゲには話をした。
ただ、カゲに危機が及んだ場合は、その時はしっかりと自分が身代わりになろうと決意もしている。
それでいいんだ。
俺はそうやって自分を整理しながら、アンリの家へと向かった。

夕日を背にして、アンリの家から少し離れたところにカゲがいた。
どうやら俺を待っていたみたいだ。俺の姿が見えると駆け寄ってくる。
「おつかれさん。」
「おつかれぃー。その様子だと、何か情報があったみたいだな。」
「あぁ、少し歩きながら話そう。」
「OK。」
あまりアンリやブレインさんに聞かれるのもまずい感じの情報なのか、
カゲは家から少し遠ざかる。
「まず、教え子がアンリの家にきたかどうかだが・・・その話は本当らしい。
3ヶ月前くらいに、ギルドカウンターにZooのメンツが2.3人来たとの情報があった。」
「ほほぅ・・。」
「んで、文書のことだが・・・Zoo方面に詳しいヤツから聞いたところ
ちょうど半年前、要するに教え子がアンリの家に来た時期だな。
それぐらいから、各地でZooのメンバーを目撃してるヤツがいる。
なんて言うか、何かを探しているらしい雰囲気だったとのこと。」
「どうやら本当らしいな・・ブレインさんの話。」
「あぁ・・・で、その教え子だが・・・ライアドを出てトリポスに向かったらしいんだが
そっからぱったりと目撃情報が無いんだ。」
「・・・消された可能性があるかもな。」
「うむ・・。で、教え子が消えてからもZooの目撃情報は絶えなくて、尚且つ、
ライアド周辺での目撃情報が一番多い。」
「なるほど・・・と、なると、どうやら文書かどうかはわからんが、
Zooの面々が何かを探しにこの地域まで来ていることは確かなんだな。」
「そゆこと。だから、ブレインさんが狙われる対象の候補として挙がるのは
必然になるわけだ・・。」
「そうか・・。」

NEXT 8thSTAGE

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「うは、これあれだろ?ルイーでの依頼の時のヤツだよな?カゲ。」
「あーそうそう、懐かしいな。この依頼の時にレイが酒場で一人で飲んでた女性に声かけて
叩かれたんだよなー。」
「そうそう、カゲなんかギルドカウンターで美人の傭兵に声かけて、銃向けられたしな。」
「「あはははは・・・」」
「ナンダトコラ、ヤンノカコラ?」
「ジョォトォダコラ」
夕食後にアンリの洗い物を手伝い、そのあと、約束通りアンリの部屋で昔の写真を見せてながら
思い出話に花が咲く?あの頃はがむしゃらに依頼こなして、金もらって酒飲んだり
銃をカスタマイズしたり、とにかく若かった気がする。
そんな俺とカゲを見るアンリは、とても楽しそうにしていた。
「それにしても、二人ともほんとに女性好きですよね。」
アンリが呆れた顔で言う。
「あぁ、カゲなんか特にな。」
「何を言いますかレイさん。私は貴方の教えに忠実に従ってるだけですよ?」
「はいはい、50歩100歩ですよ。二人とも。」
「・・はい。」
俺らのやりとりを華麗にスルーしたアンリ。
アルバムに目を落としながら、一枚の写真を指さし俺に聞いてくる。
「そういえば、このレイさんの写真に写ってる両脇の男性さん達は?
3人とも凄く仲良さそうに写ってるんですけど。」
「あぁ、これも懐かしい。これはBlackJackで初めて大型の依頼をクリアした時のだな。」
アンリが見せてくれた写真には、俺を中心に左にレオが右にあっきーがいて
互いに肩を組んでいる写真だった。
「へぇ~。」
「俺が中心で、左にいるのがレオニード、右にいるのがakinoyukiだな。」
俺は写真に指を差し説明をする。
「あ、二人とも名前聞いたことあります。」
「おー、知ってるのか。」
アンリの意外な台詞に俺は感嘆の声を漏らす。
傭兵好きは伊達じゃないな、これは。
「レオもあっきーもこの界隈じゃ有名だからな。」
カゲが違うアルバムを見ながら、話に加わる。
「うんうん、確かレオニードさんは狙撃能力と短剣の扱いが上手くて、あっきーさんが・・
確か冷静な判断力で難しい依頼もすんなりこなすって言われてた気がします。」
「うむ・・そしてあっきーにはもう一つ凄い秘密が・・」
カゲが人差し指を立てて、偉そうに言う。
「その秘密とは・・・??」
興味津々のアンリ。
「冷静な判断力以外に、鋼鉄のakinoyukiと呼ばれていて、その特注のコートは世界に一つしか無く
至近距離でSGを撃っても、ほとんどダメージを受付けないんだ。」
「ほぇぇぇぇえええ、それは凄いです!・・・あっきーさんにそんな秘密があったとは・・メモメモ。」
アンリは丸秘と書かれたノートを広げ、akinoyukiと書かれた項目に書き込んだ。
「確かHighPingerって言うブランドが作ってくれたって言ってたかな。」
カゲの情報に目を輝かせながら、アンリは色んな質問をしていく。
俺はさっきまでカゲが見ていたアルバムを広げパラパラっとめくっていた。
その時、ふと一枚の写真が目に止まる。
その写真には、20代前半から中ごろといった感じの男女が、仲良く写っていた。
そしてその女性は俺のよく知る人物であった・・
「・・・これは。。」
その呟きに楽しく会話をしていた二人がこっちを見る。
「どした?レイ?」
「どうか・・されましたか?」
「アンリ・・この写真のこの女性。」
俺は写真を凝視しながら指を差し、アンリに言った。
「あ、その写真はアンジェラさんって言う私の憧れの女傭兵さんと、パパですよ。」
アンジェラ・・その名前を聞いた瞬間、胸にしまいこんだ記憶が昨日のように思い出される。

―――ライアドの街はずれにある孤児院で、少年と若い女性が話をしている。
「レイくんは傭兵になりたいの?」
「うん、俺はアンみたいに活躍して、ライトハンドになるんだ。それでレフトハンドのアンと一緒に
仕事をしたい。」
ライトハンドとレフトハンドというのは、皇室のボディーガードの名称で
国王や外国からの偉いさんを守る人の事を言う。
ライトハンドとレフトハンドに選ばれる資格を得るには、依頼達成率100%と期限オーバー0%、
無関係の人への危害率0%、獲得報酬金ランキング1位を5年間維持し、1年間依頼請負回数80回以上。
主要5大都市のライアド、ステイシア、トリポス、リトアス、ルイーでそれぞれ1年間10回以上の
依頼をこなした計6年を経て、やっと得られる。
しかも、資格を得たあと、選考に通らなければハンドとしての最終試験が受けられないという
厳しさだ。それをアンジェラは、傭兵としてデビューしてわずか7年でクリアし、女性として
世界で初めてハンドになったのである。
「ふふ、レイくんがそう願いつづけて頑張れば、なれないこともないわね。」
「うん、俺、頑張るよ。だからアンもレフトハンドで居つづけてね。」
「解ったわ・・じゃあ、まずは傭兵になれるように、私が使ってたこの銃を貴方にあげるわね。」
そう言うと彼女は、俺の目線まで腰を落とし上着の内側から1丁のRVを取り出した。
しかし、俺が傭兵になって1年たたない内に彼女は命を落としてしまった・・・。
そのアンジェラとアンリのパパはどういう関係だったんだろうか・・・。

「レイさーん?もしもーし・・・・。」
「あ、わりぃ・・ちょっと昔のことを思い出してな。」
俺は困った顔をしているアンリを見て苦笑する。隣ではカゲが心配そうに見ていたが
大丈夫だと、目で合図を送ると不器用に微笑んだ。
「レイさんはアンジェラさんのことを知っていますか?」
アンリの無邪気な質問が、俺の胸をえぐる。
「あぁ、知ってるよ。・・・・・俺の師匠だったんだ。」
「えぇ!それ、ほんとですか?」
「・・・Angelic-rayのAngelicは、アンジェラのコードネーム"天使"、要するにAngelから取ったんだ。」
「ほへぇ・・・そうだったんですか。。でも、若くして依頼中に亡くなったんですよね?」
「・・・あぁ。」
一番されたくない質問をされ、その時のことを嫌でも鮮明に思い出そうとしてしまう。
が・・ここではさすがにまずいので、それを抑えることにした。
・・・思い出にふけるのはあとでいい。
俺が複雑な顔つきをしていたのか、アンリが俺の顔を見るやいなや、ハッとしてうつむいてしまった。
「まぁ、アンジェラは仕事で死んじまったんだ。どんなに強くても小さなことが命取りに
なったりするもんさ。」
そう言って、俺は腰を上げて伸びをする。
アンリは俺の顔を見てから申し訳無さそうにしていて、カゲは未だに心配そうに俺の顔を伺っている。
「まぁ、二人が別に気にすることじゃないよ。気にしてもらったって、
もう戻ってくるわけじゃないからな。」
俺は窓際に立ち、外を眺める。
空は雲一つも無く星が綺麗に輝きを放ち、月はくっきりと夜空にその存在感をアピールしていた。

コンコン。

部屋のドアがノックされる。アンリパパかな?
「はーい、開いてますよー。」
アンリがベッドに腰掛けたまま、ノックの主に声をかける。
ガチャっと音を立ててドアが開き、案の定アンリパパが入ってきた。
「お邪魔するよ。」
ブレインさんはそう言って、手に持っていた機械をおろし何かを組み立て始めた。
「父さん、もしかして写真撮るの?」
アンリが尋ねる。
なるほど、あの機械は三脚のついたカメラか。
「あぁ、せっかく有名人が二人いるんだ、アンリも一緒に撮って欲しいだろう?」
パパはアンリをチラッと見てにっこりと微笑む。
アンリは少し恥ずかしそうにしながら、こくりと頷いた。
「よし、準備OKだ。」
ブレインさんはカメラのピントを合わせ、俺たちに指示を出す。
まずはカゲとのツーショット。
あまり女性と撮ったことが無いのか、カゲは顔を少し赤くしながらアンリに寄り添う。
「カゲさん、顔が赤いっすよ?」
「うっせーよ。外野は黙ってろ。」
俺の冷やかしにカゲは更に顔を赤くする。
それを見ながらアンリはクスクス笑う。
パシャッ!と気持ちのいい音を立てて、楽しい時間を無機質な機械が一枚の紙に刻む。
「次はレイくんだね。よろしく頼むよ。」
今度は俺の番らしい。
俺はアンリの傍にいって、手を差し出して言う。
「お嬢さん、エスコートさせて頂きますよ。」
「よろしくお願いしますわ。」
アンリは俺の手にちょこんと自分の手を乗せて、微笑んだ。
こんな芝居じみたやり取りを見て、カゲは手をひらひらさせ「やってろ」と言いながら
写真に収まらない位置まで移動する。
今度はアンリパパが口を開いた。
「そんな台詞が言えるのなら、肩の一つでも抱いてやってくれないかい?」
えっ・・・一瞬凍りついた。が、アンリは隣でクスクスと笑い、俺を見上げて言った。
「エスコートしてくれるんですよね?」

一通り写真を撮り終えると、今度は3人で普通に喋っているところをパパが勝手に撮り始める。
最後に4人で撮ったあと、ブレインさんは現像してくると言い部屋をあとにした。
「俺、シャワー浴びてくるよ。」
そう言って、二人を残して部屋を出た。
・・・シャワーは嘘だ。ほんとはブレインさんに確かめたいことがあった。
アンジェラのこと。。そして、俺の記憶が正しければ・・・ブレインさんに残る面影は・・。
リビングに行くと、ブレインさんがコーヒーを飲んで葉巻をふかしていた。
「おや、レイくん。どうしたんだい?」
俺が来たことに気付くと、葉巻の火を消して「ちょっとまってて」と言い、コーヒーを入れてくれた。
俺はコーヒーの出された席に座り、ブレインさんの顔を見て一つ深呼吸をする。
「ブレインさん・・いえ、ウルフと呼ばせてもらいます。」
俺の口から出たウルフという言葉に、ブレインさんは一瞬ぴくっと体を震わす。
「気付いていたのか・・。」
「えぇ、ついさっき、アルバムを見ている時に思い出しました。」
「そうか・・。」
ウルフ、かつて-Zoo-というクランを表立って率いて世界一の座についた。
ある事件から全く話が耳に入ってくることは無くなったが、
俺は-Zoo-、そしてウルフのことを今でも忘れることが出来ない理由があった。
「傭兵を辞めたのは・・・アンのことがあったからですか?」
「・・・。」
ブレインさんはコーヒーを一口飲み、カップの中に目を落としている。
返事を待つ。彼もまた、俺と同じようにアンの死から立ち直れてないんだろうか・・。
俺にとっては師匠だったが、彼にとってアンは恋人だった。
そのことに対して、凄く嫉妬していた時期もあったが・・・
俺が何よりも許せなかったのは、彼の不注意でアンが死んだということ。
生前、アンに「誰かの不注意で私が死んでも、それは仕事で死んだということだから
恨んだりしたらダメよ。」と言われていたから、表向きは彼を恨んだことはなかった。
が、心の中ではそんな言葉も聞こえなくなるほど、彼を激しく恨んだ。
今となっては、その気持ちも薄れているが、自分に恨んでないと言えるほど嘘はつけない。
「アンのことも少しはある・・が、本当はZooから追い出されたんだ。」
「追い出された・・・?」
「あぁ、深い事情があるから経緯は話せないが、私はZooのあるグループの陰謀によって
追い出されてしまったんだ。」
「ふむ・・それで傭兵を辞めたのはなぜですか?」
「だから今―――」
「それは、クランを辞めた理由であって、傭兵を辞めた理由ではないでしょう!」
昔の心に火がついてしまったのか・・俺は彼の濁すような雰囲気を出した言葉を遮り、
強い口調で言ってしまう。こうなると止められないのが自分の悪いとこだった・・。
「Zooを追い出されたことはどうでもいいんです。でも、アンは貴方が傭兵を辞めることを
望んでいましたか?彼女は言ってました、"ウルフは傭兵という仕事に誇りを持っていて
正規の仕事以外は絶対にしないで、世の中の人のために役に立ちたいって思っているのよ。
だから、私はウルフという男を尊敬し、男として心の底から愛している。
彼のために尽くしたい。"ってね・・・・・。でも、貴方は違った・・・。」
俺は一気に彼を捲し立て、一呼吸置いた。

バンッ!!

「これがアンの望んだ現実でいいのかよ!!!!」
テーブルを叩き、声を荒げる。コーヒーが少しだけこぼれた。
かなりの音が出たらしく、2階からドタドタと足音が聞こえてきた。
「どうした?大丈夫か?」
「何かあったんですか??」
二人が俺とブレインさんを交互に見て、心配してくる。
凄く居心地が悪かった。
「少し・・夜風に当たってきます。」
俺はそう言い残し、心配そうに見つめる二人を避け外へ出て行った。

ショックだった。
まだ自分の中で、こんなにわだかまりが残っていることが・・。
月を眺めながら溢れてくる涙を拭う。
「泣いているのか・・・俺は。。」
泣きたいのは・・彼の方だろう。。
アンの十字架を背負って生きてきて・・・。
「俺を気遣ってくれたのは・・ウルフだったよな・・。」
彼は文句を言う相手も誰も居なかったのに、ずっと俺の事を気にかけてくれた。
それなのに俺は・・
・・・・バカだな、俺。
ロレッタ家の外壁にもたれ、目を閉じた。


遅くなってすみません汗
とりあえず、13日と14日は旅行でネットにいないので
今日明日で@1回更新できるか、できないか程度ですね。
えっと、Angelic-rayの由来は、実際のところこの話と
似たような感じですね。仲良かったネット仲間がメッセのアドに
Angelって使ってたのを、ネットから撤退する時に頂いたものなのです。
その前は村雨零というHNだったんですけど、
Angelを頂いてからは、ずっとAngelic-rayできています。

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「ふぅ・・」
カゲが街へ出て行ったのは、夕食後すぐだった。
10時に待ち合わせなんだからそんなに急がなくてもと思ったが、どうやら野暮用があるらしい。
まぁ、任務期間中に酒を飲むヤツではないからな・・仮にもshadowのマスターだし、
その辺は付き合い長いから信頼は出来る。

俺は食卓の椅子に腰掛けて、タバコを吟味している際中だ。
ちなみに俺が吸っているのは、elevenstarという銘柄のタバコである。
傭兵を志すようになってからは愛用のミニック567スペシャルエディション(愛称SE)とこいつに
お世話になりっぱなしだ。ちなみに、SEはとある人物から傭兵になれるようにと頂いた、
大切な銃で、ディレイは遅いが威力は従来のミニックよりかなり高く、精度もそれなりに高い。
それに大抵時間があれば、SEの手入れをしていることが多かったりする。
そんなことを考えながら、俺は懐からSEを取り出し、片目をつぶりながら
細部までしっかりチェックする。
「うむ、異常なし・・っと、今回も頼んだぜ、相棒。」
そう呟きならが、SEを撫でてやる。
「随分、大切にしてるんですね。」
チェックを済ましてSEをしまおうとすると、後ろから声をかけられる。
「なんだ、起きてたのか。」
「えぇ・・ちょっと眠れなくて。」
声をかけてきたのは、まだ濡れているのか、しっとりとした赤い髪を触りながら
大きめの寝巻きを着たアンリだった。
先ほどブレインさんと一緒に寝室に向かったみたいだったが、眠れなかったらしい。
アンリは俺の顔をチラッと見て、向かい側の椅子に腰をおろす。
「早く寝ないと、いくら若いからって油断してるとお肌が荒れるぞ。」
俺はクスっと笑いならが、アンリに言う。
「あはは・・」
アンリは控えめに笑うだけで、何も言わなかった。
ちょっとした静寂が二人の間に流れる。
アンリは時折俺の顔を見ては、目を伏せて何やら考え込だりしていた。
その表情は依頼を請け負ってから初めて見る顔で、普段のアンリからは
想像もつかない仕草だった。
まぁ、アンリのことをそんなに知ってるわけじゃないから、何とも言えないが・・。
「レイさん・・・」
「うん?」
アンリが顔を伏せながら、聞こえるか聞こえないかの声で俺を呼ぶ。
「私、依頼殺しって言われちゃいました・・えへへ。」
「・・・・」
アンリの突然の台詞に俺は言葉を失う。
依頼殺しとは、その依頼を受けるだけで死ぬ、もしくは行方不明になる、
傭兵として再起不能になったりする、そういう依頼を持ちかけてくる依頼主に対して使われる言葉である。
「私、知ってますよ。依頼殺しの意味。。」
まだ17歳という若さでそのレッテルを貼られるのは、とても辛いだろう・・。
「気にするな・・・という方が無理か。」
俺は溜息をつきながら、アンリの様子を伺う。
「・・・私はただ助けを求めているだけなのに・・・どうしてそんな風に言われなきゃ
いけないんですか?・・・悔しい・・ですよ。。」
アンリは唇を真一文字にむすび、肩を震わす。
俺は席を立ちアンリの隣に腰をかけ、彼女のまだ少し濡れている頭を撫でながら言った。
「確かに、依頼の内容も知らないヤツにはそう見えるかもな・・・。でも、
アンリがそれに対して気に病む必要はない。依頼の途中で命を落としたり、消えていった傭兵なんて
この世には腐るほどいるんだ。アンリに対してそういう台詞を言ったヤツにとっては、
行方不明になった傭兵の中に、尊敬や憧れを抱く人物がいたのかもしれない。
そいつだってアンリを責めたって行方不明になったヤツが戻ってこないことなんて
頭ではわかっていると思う。」
「じゃあ、なぜ!なんで解ってるのにそういうことを!」
アンリは涙を流しながら、俺を見上げる。そいつを俺はハンカチでぬぐってやり話を続けた。
「それは・・人の心なんだ。」
「ココロ・・?」
「そう。戻ってこない、責めたってどうしようもない、それは理解できていても
心の中じゃ誰かを責めてないと支えがなくなっちまうんだ。尊敬の念や特別な感情を抱いた
相手の死を認めたくないんだよ。だから、何かと理由をつけて行き場の無い悲しみを誰かにぶつけ、
自分を騙していかないと悔しさで押しつぶされてしまうからな。。」
「それって、凄く理不尽じゃないですか!私は・・私は・・・っ!」
アンリは唇をかみしめ、ぐっと拳を握り締める。
そんな悔しそうなアンリの手に俺はそっと自分の手を添えた。
「大丈夫。俺とカゲがこの依頼を必ず解決するよ。そうしたら、アンリを責めるヤツは
誰も居なくなるさ、な?」
「ぐすっ・・レ、イさん・・・」
「もう泣くな。・・・泣いてしまったら、自分が依頼殺しと認めているのと同じだ。
厳しいけど、実際3人の傭兵が行方不明になって、悲しんだ人がいるのも事実なんだ。」
「そんなこと言われても・・・悔しくて・・・うぅ・・・」
17歳の女の子だもんな、依頼殺しなんてショックだろうし、泣くなってのが無理か。
たくっ・・しょうがねぇな。

ガバッ!

「あー、もう解った。泣け、気の済むまで泣け。」
「え、あ、あの・・レ、レイさん・・・?」
涙を流しつづけるアンリを見ていることが出来なかった俺は、衝動的に彼女を包み込むように
抱き寄せていた。一瞬、何が起こったのかわからず戸惑いを見せたアンリが顔を上げようとしたが
顔を見られるのはかなり照れくさかったので、彼女の頭を自分の胸に押し付けた。
アンリは、ゆっくりとまた悲しみと悔しさが蘇ってきたのか、顔を埋めてまた泣き始めた。
「うぅ・・・っく・・ひっく・・私は・・・そん、な・・ぐすっ・・つもりじゃ・・」
・・・悔しかっただろう?・・・辛かっただろう?
夕食後も周りに悟られないように振舞ってたけど、無理だよな・・・
だから、いいんだよ。アンリ。
「やっぱ、泣きたい時は泣いた方がいい。」
そう呟いて俺は彼女の頭を何度も優しく撫でてやった。

しばらくして泣き止んだアンリは、もう大丈夫ですと言って自分の部屋に戻っていった。
アンリが部屋に戻ると同じくらいに、今度はカゲが帰ってきた。
「ただいまっと。」
「おう、おかえり。今コーヒー入れてやるから待ってろ。」
「頼むぅ~・・疲れたぜ。」
「はは、ご苦労さん。」
疲れた顔したカゲをチラ見して、俺は席を立つ。
古めかしいコーヒーメーカーにお湯と豆をセットしながらカゲに話し掛ける。
「で、どうだった?」
「あぁ・・収穫なのかは解らんが、聞いて損は無い情報が入ったよ。」
「ほぅ・・」
「シオディの事なんだが・・・どうやら、行方不明から戻ってきたらしいんだ。」
「ふむ。それならシオディさんに聞けば、この依頼もすぐ解決できるんじゃないか?」
俺はコーヒーをセットし、居間に戻ってカゲの向かい側の席に腰をおろした。
「俺も最初はそう思ったんだが・・・・」
「うん?」
カゲは俺から目を逸らし、非常に言いにくそうな顔をして口を開く。
「行方不明になって戻ってきたその日に、シオディは自殺してるんだ。」
「なっ・・。」
「なんでも、その日の晩にシオディが遅くまで起きていたクラメンに危害を加えて
そのあと奇声を発して、のたうちまわった挙句・・・自分の銃で自分の頭を・・ズドンっ。」
「そ、そいつはヘヴィな話だな・・。」
「うむ・・。」
「シオディのことはこれだけだな、んで、ブレインさんだが・・・ほとんどのヤツが
そんな名前聞いたことないだったぜ。。」
「なんだそりゃ・・・。」
「こればっかりはどうしようもできん。お手上げだよ。」
「そっか・・パパのことは、アンリにでも聞いてみるか・・・。」
何にせよアンリに最初っから聞いた方が手っ取り
「そうだな、ところでアンリのことだが。。」
カゲの目が泳いでいる・・こいつ、知ってたな。
「おまえさ、そういう大事なことは先に言えよ。俺がはずかs・・・じゃなかった。
いきなり泣かれてびっくりしたよ。」
「え、あ、まぁ、その大丈夫なのか?」
「なんとか大丈夫だと思う。・・・たくっ」
俺ははぁっと溜息をついて、出来上がったコーヒーを取りにいった。

結局、この日はシオディさんの事以外ではこれといった収穫もなく、
カゲと見張り番は交代しながら、朝を迎えたのであった。

―――その日の昼、俺はライアドの街に出向くことにした。
なぜかと言うと、昨日カゲに頼んでおいたマグナムをカゲが買い忘れたという
何とも情けない理由のおかげだ。
ライアドは相変わらず昼間も賑わっていて、人でごった返している。
俺は基本的に人ゴミが嫌いだ。
息のつまる感じをどうも体が拒否するらしく、ひどい時は頭痛や吐き気をもよおすこともある。
だから、いつもメインストリートからはずれた道を使い、目的の店に向かうという方法をとっている。
もちろん、今も裏通りを歩いて目的のガンショップに向かっているわけだ。
「しっかし、メインストリートをはずれるだけで、こんなにも寂れちまうとはなぁ・・・」
そう、裏通りやちょっとでも道をはずれると、いかがわしい店があったり、
チンピラがたむろしていたりする。普通の一般家庭の人はまず何か無い限り、こういったとこへは
近づかないだろう。というか、近づいたら何かトラブルに巻き込まれたりすること請け合いだな。
俺は地べたに座り込んでいるチンピラや物乞いを避け、目的の店へと向かう。
ここから約30mいったとこに十字路があり、そこを左に曲がれがすぐだったな。
いつもは注文で済ませてしまうため、わざわざ店まで出向くのは久しぶりだ。
曖昧な記憶を頼りにやってきたから、多少の不安はあったが、十字路を曲がって
目的のガンショップがあるのを確認すると、少しホッとした。

ギィー・・・

相変わらずドアの立て付けが悪いのか、不気味な音が店内に響く。
「う・・・ゲホッ、ゲホッ。」
ドアを開いたと同時に埃を吸い込んでしまいむせる。
呼吸を整えて改めて店内を見渡すと、珍しいことに人がチラホラ居たりした。
その中に見知った顔を見つけたので、近づいて声をかける。
「よう、レオじゃんか。」
「ん?おー、レイ。久々だな。」
俺の親しみを込めた挨拶に、同じように返してきたのは
クランメンバーと同時に幹部でもあるレオニードだった。
以前、短剣使いでは5本の指に入るくらい扱いが上手いと説明した男性である。
「なんか、依頼受けたらしいな。カゲのメンツから聞いたぜ?」
レオはショーケースに入った、レイブンタイプのハンドガンを見ながら言ってきた。
「あぁ・・まぁな。」
無償なのがばれると呆れられそうなので、曖昧な返事をしておく。
「そうやってちゃんと説明しないとこを見ると、どうせまた無償の依頼なんだろ?」
・・・速攻ばれてるわけだがな。
「はは・・・さすがだよ・・返す言葉もないや。」
俺は後頭部をかきながら、レオから目を逸らす。
「でも、珍しいな。」
「ん?何が?」
「いつもなら依頼を受けたらきっちり準備していくレイが、依頼期間中にガンショップに来るなんて。」
「あぁ、たまにはそういうこともあるさ。」
俺がレオの見ている銃を隣から伺うと、レオは声を低くして言った。
「・・・やばいのか?今回の依頼。」
「いや・・別にそういうわけじゃあない。」
まぁ、本当は得体の知れない依頼であり、尚且つこの依頼で短期間に2人が行方不明、
更には1人が発狂死をしているわけだが・・あまり心配はかけたくないので、はぐらかすことにした。
「ふぅん・・・まぁ、あまり無茶はするなよ。困ったことがあったらいつでも言ってきな。」
「ああ、解った。その時は頼むよ。んじゃ、俺は弾買ったら依頼に戻るよ。じゃあな。」
「あぁ、またな。」
レオは相変わらず銃を見つめたままだった。

目的の物を購入しレオと別れ、ガンショップを後にした。
昨日たっぷり留守番をしたということもあり、少しぐらい寄り道していってもいいだろうと思って
近場の喫茶店に入った。
「いらっしゃいませ~、お一人様ですか?」
感じのいいウェイトレスさんが出迎えてくる。これはかなりの高得点だな。
容姿、スタイル、印象、どれも平均Aはあるね。これで性格も良ければばっちりじゃないか。
うんうん。
「あの~、お一人様ですか?」
「はい?何ですか?」
何か話し掛けられている・・んー、何て言われたっけ?
とにかく評価に夢中な俺は全くウェイトレスさんが言ってることを理解していない
「えっと・・・だから、お一人様ですか?って。。」
なんでそんな困った顔でそんな風に言われるんだろうと・・自分の周囲を見回し、やっとのことで
そのことについて理解する・・・ヤバイ没頭しすぎた。
「え、あ、はい、そうです。一人です。どう見ても一人です。」
一瞬心の中を見られたと勘違いしてしまい、台詞を噛みながら意味不明なことを言ってしまう。
そんな俺を見て、ウェイトレスさんはクスっと笑い、席に案内してくれた。
店内はクラシックが流れていて、雰囲気も良くと心が落ち着くような場所だった。
メインストリートが見える窓側の席に案内されて、ウェイトレスさんにメニューを渡される。
「ご注文がお決まりになられましたら、声をかけてくださいね。」
彼女は深くお辞儀をすると、違う席へと向かった。
うーん・・かわいいな。名前だけでも聞いてみるか。
って、これじゃカゲと一緒だって?バカだな、綺麗なお姉さんには声をかける
これが俺流なんだ。カゲと一緒にしないでくれたまえ。

俺は店内をキョロキョロと見回し、先ほどのウェイトレスさんを視界に入れる。
ここで失敗したらいけないのが、違う人にオーダーを取られることだ。
他にもまぁまぁ可愛い子はいるが、ウェイターさんもいるので迂闊に声を出すことが出来ない。
ここは慎重にタイミングを計るのが得策。名づけて鳴かぬなら鳴くまで待とうウェイトレス作戦だ。
幸いなことに近くの席のカップルがそろそろ会計にしようかなというタイミング。
ナイス判断だ、リチャードとマリア!(もちろん俺が今つけた名前な。)
リチャードが「すいませーん」と手を挙げる。
フロアの店員が声を揃えて「今伺いますー」と言う。
ここだ、このタイミングが重要だ。
「・・・いいか?落ち着けよ、Angelic-ray。」
俺はほっぺたを両手でバシっと叩くと、目的のウェイトレスさんの動きを凝視する。
しかし、会計にと動いたのはリチャードとマリアに一番近いウェイトレスだった。
む・・・これでは俺がオーダーをしようとしたら、間違いなく、
「少々お待ち下さい」で会計を終わらせたついでにオーダーの可能性大だ。
しかし、その時、それよりもっと嫌な予感が頭をよぎった。
俺はまだオーダーをしていない。したがって、気を遣って会計を終わらせたウェイトレスさんは
俺に注文を伺おうとする。ここで拒否った上に、目的のウェイトレスさんを呼ぶのは
イメージが悪すぎる。これではもうこの店に来ることが出来ないじゃないか!・・・くぅ、万事休すか?
と、そう思い、諦めかけようとしたその刹那、俺と目的のウェイトレスさんの目が合う。
鳴いた・・・・ウェイトレスが鳴いた・・。
俺は頭が思うより体が先に反応していた。
気付いたら手を挙げて「注文お願いします」と口に出しているではないか!
すげーよ、俺。ほんと頑張った。自分で自分を褒めたいです。
目的のウェイトレスさんは俺の席まで来ると、にこっと微笑みながら
「ご注文は何に致しましょう?」
と、言ったが・・・それに対し俺の口からは予想もしなかった台詞が口をついて出た。
「えっと・・名前」
その瞬間、自分で自分の台詞に凍りついた。うおおおおおおおおおおお、しまったぜ・・
あまりの嬉しさについ、本音が・・・。
「な、名前?えっと、私ですか?」
ウェイトレスさんは困るというより、目を丸くしていて驚いている様子。
くそ・・もうやけだ、このままいくしかない!
「え、えぇ、い、嫌ならいいんです。っでっででえでも、教えて欲しいな?み、みたいな?」
うほ・・焦れば焦るほどダメになっていく。
ウェイトレスさんは案の定肩を震わせて怒っている様子だ・・・
無理もねーよな・・仕事中にナンパとかありえねーだろうし。
が、更に俺の予想をはるかに上回る光景が・・・。
「・・・・ぷっ・・・ふふ、あはは、ダメ、お客さんおかしいですよ。注文聞いてるのに名前とか
絶対おかしいですよね?あは・・ナンパとか嫌いですけど、笑ったのが久々だから特別ですよ。」
と、全く状況を掴めてない俺に彼女は耳打ちで"サラス"と一言伝えてきた。
「じゃあ、ご注文はアイスコーヒーとスペシャルケーキセットでよろしいですね?」
「え、あ、はい。」
その日、一番の出費だったのはこのアイスコーヒーとスペシャルケーキセットだった。

アンリの家に着いたのは、それから数時間後だった。
家に着くと3人とも食卓で談笑していて、俺を待っていたらしい。
うぇー、なんか気を遣われちゃったなぁ。
申し訳無さそうに、俺はみんなに「遅くなってすんません」と頭を下げた。
「申し訳なさそうな割には、顔がほころんでますよ?レイさん。」
「そ、そうか?」
アンリがテーブルに夕食を運びながら言った。今日はシチューらしい。
「た、多分夕食が大好きなシチューだからだろうな。」
俺は咄嗟に誤魔化そうとするが、一人目ざといヤツがいるのを忘れていた。
「女だな・・・」
ギク・・・。
「女の匂いがする・・クンクン」
カゲが俺に近寄り、コートの匂いを嗅ぐ。
「な、何を言ってるんだい?カゲくん。ぼ、ボクはマグナムを買って街を
ぶらぶらしてきただけなんだよ?」
「ふぅーん、ま、レイさんもやっぱり男性ですもんね。昨日だって・・」
「ちょ、ちょま!」
アンリとカゲのツートップは何気に厳しいぞ・・。
それに昨日のあの話をされたら、ブレインさんに殺されそうだ・・・。
「はは、まぁ、男子たるもの浮いた話の一つや二つないと、かっこつかないぞ。」
「そ、そうですよね。」
さすがブレインさんだ・・話が解る。。って・・ちょっとまて・・。
「認めましたね。レイさん。」
「うむ。それでこそレイだ。」
「はっはっは」
アンリは目を伏せながら席につき、カゲはコーヒーをすすりながらニヤニヤし、
ブレインさんは大笑いしている。・・・これは軽蔑ですか?そうですか?
「・・・もういいです。。」
俺はそんな3人を横目にがっくりと肩を落とした。

4人で食事を取るのも今日で3回目になる。
最初はぎこちなかった俺達も、フレンドリーなロレッタ親子のおかげか、
食事中も色んな話に花が咲き、俺とカゲが出会った頃の話やshadowのことやBJのことも話した。
俺達が話している間、アンリは目を輝かせ凄く真剣に聞き、色んなことを質問してくれた。
昨日の1件がまだ頭の片隅に残っていたから、今のアンリを見ている分には、こっちとしても
かなり救われる。一安心って感じだな。
「そうそう、私、レイさんとカゲさんが写ってる写真持ってますよ?」
と、唐突にアンリが口を開く。
「へぇ、そりゃ珍しい。・・でも、まぁ、カゲは有名だからあってもおかしくはないが、
俺の写真があるとはなぁ・・。」
「それだけレイも有名になったんじゃね?」
「はは、そうかもなぁ。」
「父さんがね、傭兵時代に撮ってきてくれたんですよ?二人とも凄い若いの時の写真。ね?父さん。」
アンリは隣に座っているブレインさんと俺とカゲを交互に見ながら言った。
「ははは、そんなこともあったなぁ」
そんなアンリの台詞に豪快に笑うブレインさんを見て、昨日のカゲの話を思い出した。
そういえば、どこのクランなんだろうな・・。
もしかしたら、アンリの写真に何かヒントがあるかもしれん。
そう思い立ったら、即行動。
「アンリ?」
「はい、なんでしょう?」
「あとでその写真見せてくれる?」
「もちろん、いいですよ。あーでも・・。」
「うん?」
快く承諾したかと思ったら、言葉を濁すアンリ。
「写真を見せる代わりにー・・・」
「代りに?」
ギブアンドテイクってやつか。
「洗い物手伝ってくださいね。」
そう言うと、彼女はにっこり微笑んで席を立ち上がった。

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友情出演:サラスヴィティさん

えっと・・・凄く長くなってすみません。
そしてサラスさん、こんなとこで登場させるとかほんとにやりすぎました
ごめんなさい。え?もちろん平謝りですよ?

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3rd Bpart

居間で冷え切ったコーヒーをすすりながら、タバコふかす。
このまったりとした空間が俺は好きだ。
カゲも隣で、ぼーっとしている。ちょっとからかってやるか。
「カゲ、覗いてきてもいいんだぜ?
「ん・・あぁ・・・って、おまww俺はそんなことしねぇよ。」
慌てふためくカゲに、笑いがこみ上げてくる。
「ま、まぁ、そんなことよりだ。レイはアンリの話どう思う?」
カゲは一つ咳払いをして、真面目な表情で聞いてくる。
「うーん・・・まだ事が起こってないからな・・何とも言えん。
ただ、親父さんのことだが・・」
「うん?」
「アンリの話だと、ブレインさんが傭兵を帰らせたということだったから、もっと無愛想なのかと
思ったが、まさかあんな良い雰囲気でもてなされるとはな、その反面逆に警戒心が強まったかもな。」
「どうしてだ?」
「二面性だ。俺たちに対して快く接したことも確かだが、かといってアンリの言ったことを
無視するわけにはいかないだろう?」
「なるほどな・・それはそうだな。客人が来てるのにアンリを叱咤するわけにもいかんだろうね。」
「うむ。そういうことだ。」
カゲは納得したって顔をして、うんうんと頷く。
実際、ここに来るまではブレインさんは傭兵のことが嫌いなのかと思っていたが
そういう感じでは無くて、俺たちにとても優しくしてくれた。
しかし、カゲが言うようにアンリの言った事も無視するわけにはいかない。
要するに昼間のアンリの台詞を100%信じることは出来ないが、
ブレインさんのこともまた100%信じることが出来ないのだ。
「とりあえず、元傭兵だし、昔所属してたクランや何らかの情報は仕入れておきたいな。」
「それなら、俺に任せろ。shadowの情報網で探ってみる。」
「・・・・いいのか?」
「まぁ、それくらいならタダでもいいだろう。」
「じゃあ、申し訳ないが頼んだ。」
「おk、任せろって。」                                                           
4th STAGE

「カゲさん・・・?怒ってます?」
「い、いや・・・」
「顔が引きつってますよ?」
「あ、あぁ・・・はははは。」
「もうあと4件回ったら、お家に帰りますんで、その間だけお願いしますね。」

俺はカゲ。腐れ縁のレイが請け負った依頼を手伝っている。
今はなぜか荷物持ちという訳の解らない事になっているが・・
そう、この理不尽ことを考えると昨日のやりとりが思い出される。

「カゲさ、情報を仕入れてくるなら明日街に行くんだろ?」
レイが、タバコをふかしながら聞いてくる。相変わらずヘビースモーカーだな、こいつは。
「まぁ、そうなるわけだな。」
「それならいつもの店で、マグナム弾を買ってきてくれよ。念のため多目にもっておきたいんだ。」
ほぉ・・このshadowのマスターカゲ様をパシリに使う気か。。
さて、レイくんは何をくれるのかなぁ?
「まぁ、別にそれぐらいは構わんけどなぁ・・・タダってわけには―――」
と、俺が言うのを手を振ってレイは遮った。
「あぁ、それなら心配いらない。アンリが買い物に行くらしいから、二人きりにしてやるよ。」
「おk、わかった。さすがレイ様、よく解っていらっしゃる。」
「俺はこっちで留守番してるさ、楽しんでこい。」
「うぃうぃ。」
レイのニヤニヤした言い方がひっじょーーーーーうに気に入らなかったが、
アンリと二人で買い物とか、こんな美味しい展開を拒否するわけにもいかないので
大人しくしていることにしよう。

というわけなんだ。
俺は一緒にお茶飲んだり、仲良くショッピングと洒落込めるもんだと思ってたが・・。
レイめ・・・これじゃ割に合わない気がするぞ。あとでしっかり請求してやる。
「で、次はどこなんだアンリ。」
ルンルン気分で買い物カゴを手にし、スキップしながら前を行くアンリに声をかける。
「えっとですね、紅茶の葉とコーヒー豆を買いに行くんですよ。」
「俺の腕はもう荷物でふさがってるんだが・・・」
「大丈夫ですよ、抱えてる荷物の上に乗っければいいんですから。」
と、アンリが振り向いてにっこり笑う。可愛いというより小憎たらしくなってくる。
まぁ、もう諦めますよ・・。
ライアドの隅っこにあるこの商店街は、昼間から人が結構居て、
子連れやカップル、更には傭兵までもチラホラ見かけることができる。
店の方も景気のいい声が飛び交い、すごく賑わっているのがよく解った。
周りをキョロキョロしている俺に、アンリが振り向いて近寄ってくる。
「カーゲさん、何見てるんですか?」
「え?いや、日陰の人間だからこういう昼の町はあんまりなじみが無くてな。
ちょっと驚いてるんだよ。」
「ふぅーん・・・」
アンリは俺にいぶかしげな視線を送り、辺りをキョロキョロし始め、
急にピタっと止まると、いきなり口を開け指を指しながら言った。
「あ、カゲさんあそこ!ほら、ツンデレで可愛いお姉さんがいる!」
「!」
何だと!それは一大事だ!ツンデレでお姉さんときたら、俺のストライクゾーンど真ん中じゃないか!
そうだ!ここは是非とも、男として声をかけねば!
「ど、どこだ!アンリ、もうちょっとわかるように・・・・うを、人ゴミの中か?
ちょ、おま、どけって見えなくなるだろっ!って、アンリ聞いて・・・・あ・・・。」
と言いながらアンリの方を向くと、アンリが俺に冷ややかな視線を送ってくる。
こ、これはヤバイ展開ジャナイダロウカ・・・
「カゲさん・・・女の子と一緒に出かけてそれはないんじゃない?」
「え・・あ、いや・・そのね、これにはね、深いね、わけがね?」
「知らな~い。だから男って嫌いなのよね。ふん。」
アンリはそっぽを向いて、ズンズン先へ進む。
よくよく考えれば遠目でツンデレって解らないよね・・?
これは騙されたな・・トホホ。
とりあえず、何とかしてフォローしないとなぁ・・・。
俺はアンリに遅れないように歩く速度を速めた。

目的の4件を全て回り終える頃にはすでに日が傾いていた。
今日一日で、普通の依頼より疲れているのは気のせいだと思いたい。
アンリはというとあれから一切必要な事以外に、口を聞いてくれないのである。
女って難しいね・・・。
「ちょっとお手洗いいってきます。」
アンリは振り向かずにそういうと、人を避け酒場とレストランの境にある
WCと書かれた建物に入っていく。
「たく・・・疲れるぜ・・」
ヤレヤレという感じで、俺は荷物を地面に置き、その場にしゃがみこんでタバコに火をつけた。
不意に向かい側のガンショップのショーウィンドウに、見たことないショットガンがあるのに目が止まる。
なんだろ・・・ブレーカーにしてはちょっと違うな・・アベンジャー系よりもごつくはないし。。
どちらかというと、時代を感じさせる代物と言った方がいいのか・・・。
「ちょっとだけ・・見てもいいよな?アンリ。」
「うん、どうぞ。」
「よし解った、ちょっと待っててくれ。」
俺はその場で一人芝居をして、荷物を持ってショーウィンドウに近づく。
「こ、こいつは・・・インケステルか・・粋なショットガンを飾ってやがる。」
インケステルはレバーアクション型の散弾連発銃で、レバーを大きく引くとボルトが開き
そこから4発弾を込めることができる、そしてレバーを引いてボルトに1発こめることによって
5発連続で撃てることが可能となる。
更にこいつは用心鉄やバレルをいじってるから、スピンローディングで銃をくるっと回し
次弾を送り込んですばやく撃つことが可能だ。
「むぅ・・・・ほ、欲しい・・。」
ゴクリと唾を飲み込み、気がついたときには欲しいと思わず口に出していた。
まぁ・・・今日のとこは諦めるか。。。と、荷物を持ち元の場所に戻ろうとしたその時だった。

「いや、離して下さい!」

すぐ近くで女性の叫び声が聞こえてくる。
叫び声の方にはちょっとした人だかりが出来ていて、ここからじゃよく見えない・・
が、しかし、声の主はついさっきまでいたアンリのものだとすぐに把握できた。
俺は人ごみを掻き分け近づいていった。
人だかりの中央に、柄の悪いゴロツキ3人が女性1人に言い寄っているのが目に入る。
「なぁ、お嬢ちゃんいいだろ?俺達と遊ぼうよ。」
一番体格のいいゴロツキが赤い髪の女性、つまりアンリの腕を掴み
顔を近づけて言い寄っている。
「誰が貴方と何か遊ぶもんか!その汚い手を離してよ!」
「おーおー、威勢のいいお嬢ちゃんだねぇ・・・おにーさん気に入ったよ。」
お次は一番ひょろそうなモヒカンがアンリの肩に手を乗せる。
そのモヒカンの隣にいた、スキンヘッドがアンリを見下ろしながら口を開く。
「おまえさん、あれなんだってな?依頼殺しなんだろ?」
依頼殺し・・・?こいつら、何言ってんだ。・・・・って、そんなことより、アンリを助けないと。
俺は周りの人に「やめときな」といわれたが、そんなことに構わず4人に近づいてモヒカンの腕を掴んだ。
「オイ、その辺にしとけよ。」
「んー・・?なんだてめぇ・・・は・・」
モヒカンは威勢よく俺の方を振り向いたが、俺の顔を見るなり顔が青ざめていく。
その隙にアンリが俺の後ろに隠れて、服の裾をぎゅっと掴んで3人を睨みつける。
「あ、あんた・・shadowの・・。」
「かかかかかかかか、カゲさん!?」
3人とも慌てふためいている。
「俺の顔を知ってるんなら、これ以上ここで揉め事を起こすと・・・どうなるか解ってるんだろうな?」
俺はドスを効かせた声で3人を睨みつけ、モヒカンの腕をきつく握り締めた。
「い、いでぇ・・・かか、勘弁してください」
「ふん・・・その前にだ、そこのスキンヘッドが面白いこと言ってたな。」
「え、わ、私ですか?」
いきなり話を振られ、スキンヘッドは情けない声を出す。
「依頼殺しの話、今夜10時にそこの酒場で聞かせてもらう。」
「えぇ・・で、でも。。」
「もし、来なかったら・・うちのクラン総出で血祭りにあげてやるよ。」
空いた手でスキンヘッドの胸倉を掴み顔をずいっと近づけた。
「わ、わかりました・・・。」
「んじゃ、今夜10時な。ほら、さっさといけ。」
俺はモヒカンの腕とスキンヘッドの胸倉から手を離し、手でしっしっとやった。
後ろに隠れていたアンリは、ほっとした表情を見せる。
「大丈夫か?」
「え、あ、はい・・・。ご迷惑をおかけしてすみません。」
アンリはバツが悪そうに頭を下げる。
「まぁ、俺もちょっと余所見してたしな・・こっちこそ悪かったよ。ごめんな、怖い思いさせて。」
「い、いえ・・・その・・かっこよかったです・・」
そう言ってアンリは顔を真赤にしながら、もう一度深くおじぎをした。
まぁ、やっと俺の魅力が解ったって感じかな。

俺とアンリが家に着く頃には、さっきまで傾いていたお日様も沈んでしまい、
辺りはかなり暗くなっていた。アンリの家では、レイとブレインさんがコーヒーを飲みながら
談笑をしている際中だった。
「ただいまーっと。」
二人で声を揃えて言うと、留守番の二人も声を揃えて「おかえりなさい」と言って迎えてくれる。
俺はテーブルの上に街で購入したものを置く。
「すぐに夕食にしますね、もう少しだけ待ってて下さい。」
その中からアンリは必要な食材を分け、台所へ向かう。
さっきの揉め事の影響か、まだちょっと無理をして笑っている感じが伺える。
タバコに火をつけると、レイに依頼殺しの事を確かめるために夕食を済ませたら
街に行くからと伝えた。

Go to NEXT STAGE                                                             うぇー、疲れた。
とりあえず、文章がうんk                                                                             

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